第20回 全国果樹技術・経営コンクール(農林水産省生産局長賞)
農林水産省生産局長賞
福島県福島市
[モモ、リンゴ、ナシ等]
有限会社 あづま果樹園 代表取締役
吾妻 一夫 氏
モモ460a、リンゴ200a、その他果樹(ナシ、ブドウ、オウトウ)330a を栽培する大規模観光果樹園であり、家族4 人と常時雇用5 人により経営を営んでいる。就農2年後に有限会社を設立し、本格的な観光果樹園経営を開始した。周辺で耕作できなくなりそうな園地を積極的に借り受けるとともに、増えた園地の労力として貸主を雇用するなど、荒廃農地を作らず雇用創出に努めた結果、経営面積990a のうち借地が830a(8 割)を占めている。
モモ10 品種、リンゴ8 品種、オウトウ6 品種など栽培する品目・品種は多岐にわたり、出荷や観光農園の年間営業期間の長期化を実現している。安全かつ効率的な作業実施に向けて作業改善提案制度を導入し、従業員が提案書を提出した際に褒章を与えることにより、従業員にも喜ばれている。
整枝・剪定方法の改善や新技術の導入の良否を確認しながら進めている。平成6 年にエコファーマーの認定を受け、有機質肥料や堆肥の施用など環境にやさしい農業を実践している。
就農以来、地域ブランド「福島のくだもの」の構築に貢献してきており、平成17 年には福島市観光園協会会長に就任し、福島県(県北地方)の果樹農業振興を牽引してきた。県と消費者庁との共催による復興事業の講師として、東京、京都などで放射性物質の抑制対策、出荷前検査など安全情報について消費者に発信している。